ベース素材

  • HiPIMSコーティングは極めて硬いベース素材の ダイヤモンドに対して施されます。
  • ダイヤモンドは熱伝導性が非常に高いため、熱を分散させ、下にある硬質材料を過熱から保護します(不均等な熱伝達が起こりません)。
  • ダイヤモンドは温間硬化性が極めて高いため、HiPIMSを安定化し、エッグシェル効果による破損を防止します。

機能

  • HiPIMSコーティングは断熱性に優れているため、熱は微粒子に伝達されます。硬質材料の安定化=カッターの安定化
  • HiPIMSコーティングは耐酸化性に優れているため、ダイヤモンドの酸化を防止し、ダイヤモンドを安定な状態に保ちます(熱は微粒子に伝達されます)。

「コーティング素材は、30年を経てもなお非常に大きな見返りを当社にもたらしています。ですから、一見とっぴに見えたとしても、あっという間に精密工具コーティング業界の新たな標準を打ち立てるようなアイデアを当社が持っていることも、驚くに当たりません。

当社の最新の事業展開は、こうした気質から導かれる当然の結果です。つまり、2つの高度な技術の最も優れた特性を捉え、それらを組み合わせて、どうなるかを確かめるということです。」

工学博士Toni Leyendecker、CEO CemeCon AG

2つの世界から最も優れた特性を

HiPIMSでは、コーティング素材に断熱性を持たせることができます。エネルギーは削り屑に伝達され、摩耗によるくぼみの発生を低減します。ダイヤモンドは理想的な熱導体であり、熱に耐え、熱を基材内で均等に分散させることにより、超硬合金の過熱を防止します。その結果、特に耐熱性に優れたコーティングが実現します。
すべての物質の中で最も硬いダイヤモンドは、HiPIMSにおいて考え得る最も優れたベース素材となります。工具を安定な状態に保ち、「エッグシェル効果」も生じません。
新しいコーティング素材の表面は純粋なダイヤモンド・コーティングよりも軟らかいため、工具のランイン特性が向上します。それにもかかわらず、工具はダイヤモンドの極めて高い硬度の恩恵を受け、最大限の生産性を発揮します。

新しいコーティング素材内では、HiPIMSの成分が導電面を形成します。これにより、例えば、グラファイトや回路基板を切削する際の測定が容易になるため、製造の自動化に有利です。

精密工具に使用するコーティング素材のCCDia®HiSpeedでは、

非常に耐熱性に優れ、驚くほど硬いカッターを備えた、最大限の生産を発揮する極めて高性能な工具を生み出すことができます。